ヴィンセント・クラパンザーノ(1939~)とは、アメリカの人類学者である。
ハーバード大学で哲学を学び、コロンビア大学院で人類学の博士号を取得、まずはアメリカ先住民ナバホの研究を行った後、モロッコのハマドゥシャの研究を行った。モロッコにおける研究で2冊目に発行したのが、かの有名な『精霊と結婚した男』である。
彼の主張は、人類学者はまるでいないかのように研究で対象となる人々の経験や記憶が語られるが、実際には捨象されたはずの研究対象の人々との「交渉」のプロセスが存在する、というものである。
クラパンザーノの『精霊と結婚した男』では対象である精霊アイシャ・カンディーシャと結婚した男:トゥハーミの口から語られたことが事実として記載されているわけではなく、両者の会話を通してどのように関係性が変化していくこと自体もテーマとなっている。こうして読者は人が自身について語ること、それを聞き解釈するという人類学の営み、そしてそこに結ばれる関係、といったそれぞれの次元の絡まりあいを立体的に感じることができるのである。
彼の提唱によって、それまで「かれら」の民族誌しか書かれてこなかった人類学に変化が生じ、マージョリー・ショスタックの『ニサ』のようなフォロワーも現れていったのである。
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最終更新:2025/07/04(金) 10:00
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