予備自衛官補とは平成14年(2002)に陸上自衛隊で開始された、自衛官未経験者を教育訓練を経た後に予備自衛官として任用する制度のことである。
予備自衛官候補生という意味で、予備自衛官補のマークには桜の花の意匠を背景に英訳のReserve Candidateの頭文字であるRCが刻まれている。予備自補(ヨビジホ)と略して呼称する場合もある。
予備自衛官補には一般公募と技能公募の二種類があり、前者は3年間で50日、後者は3年間で10日間の教育訓練を修了するよう定められている。
また、技能公募は衛生、法務、語学、通信、情報処理、電気、建設の各分野における国家資格免許の保有者を対象にしており、予備自衛官任用に際しては保有する国家資格免許と実務経験に応じてそれぞれ予備三等陸曹~予備二等陸佐の階級を指定される。
この国家資格免許と指定階級の扱いは、予備自衛官補一般の教育課程を修了し公募予備自衛官一般として任官した者が正業等の関係で新たに国家資格免許を取得した場合にも適用され、自分が所属する地方協力本部へ申告することで現在の階級から保持する国家資格免許に対応したものへ変更される。
その際に、公募予備自衛官一般として普通科と指定されていた職種(諸外国でいう兵科)も国家資格免許に対応した施設、武器、輸送、通信、衛生等に変更される
一般公募については、予備自衛官任用時の階級は予備二等陸士と定められており、当初は勤続1年毎の昇進も予備陸士長までと言われていたが、2019年(令和元年)現在、予備自衛官補一般から任官した公募予備一般でも勤続年数が10年を経過した者には三等陸曹の階級が指定されている。
予備自衛官補の採用年齢は18歳からであり、仮にその年齢で予備自衛官補一般の教育課程50日を一度に消化し予備自衛官へ任官した場合でも28歳になっていることから、勤続年数とともに相応の期間社会での経験を積んでいるであろうから、技能面はともかく人間性としては曹としての職務を任せるに足るだろうとの判断なのか、それとも定年まで陸士長では不憫というお情けなのかは不明だが、いずれにせよ昇級に伴い責任も増すことは確かであり、周囲からも「曹」として見られるのであるから、それなりの努力が必要なことは言うまでもない。
制度創設以来、予備自衛官補の教育修了を経て任官した公募予備自衛官は即応予備自衛官への志願は叶わなかった。
しかし令和元年(2019)に公募予備自衛官も即応予備自衛官への志願が可能となり、翌令和2年(2020)には東北方面隊において初めて公募予備自衛官から即応予備自衛官への任官者4名が誕生した。
公募予備自衛官から即応予備自衛官へ任官するには、任官前に改めて36日間の教育課程を修了しなければならず、これは予備自衛官補の教育が一般公募者であっても現職自衛官の前期教育課程の短縮版と言われているように、即応予備自衛官へ任官するに際して不足している知識技術の習得が目的とされる。
即応予備自衛官は予備自衛官と異なり予め所属する連隊を指定され、その中で重迫小隊や対戦車小隊などのより操作が複雑かつ大火力の武器を扱う場合も想定されるため、任官前の教育はもちろん、任官後も予備自衛官補出身者には学ばねばならないことの連続であることは想像に難くない。
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最終更新:2025/05/20(火) 05:00
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