ヘリウム(helium)とは元素の一種である。原子番号2番。
曖昧さ回避
概要
ヘリウム(Helium)とは、無色無味無臭で空気よりも軽く、最も低い沸点を持つ元素である。常圧では絶対零度でも固化しない(理由を知りたい人は量子力学を勉強しよう!)。ネオンとともに、現在のところ化合物は確認されていない。
- 原子番号は2、元素記号は“He”、分類は非金属、希ガス。
- ギリシャ神話の「太陽神(Helios)」に由来する。発見当時は金属と思われていたため、金属の語尾につく"-um"が付けられた。
- 発見:1868年、皆既日食の観測中に太陽のスペクトルから(天文学者によって発見・命名された唯一の元素)。そのときは太陽にしか存在しないと考えられていたが、1895年にウラン鉱石からも発見され、希ガスであることが判明した。
- 沸点-268.934度、融点-272.2度。水素と違って燃えない。
- 利用例:風船、気球、飛行船、変声ガス、呼吸用ボンベ(O2:He=2:8の混合気体)、冷却材
- 液体ヘリウムは冷却に用いられる。液体水素より高価だがより低温が得られ、超伝導電磁石などに用いられる。
- ヘリウムガスを吸引すると声が高くなる。これはヘリウムは空気より軽いため咽喉内の音速が速くなり、高い周波数の声が大きくなるため。詳しくはggrks。
ただし、純ヘリウムのガスを多量に吸引すると窒息の恐れがあるため危険であり、死亡事故に至った事例もある。パーティーグッズなどで市販されているものは、安全のため酸素との混合ガスになっているものが一般的だが、注意書きをよく読んで使用すること。声の低くなるクリプトンガス(空気より重い)でも同様の注意が必要。 - 4Heの原子核の核子あたりの結合エネルギーは近隣の原子核と比較して大きい。そのため放射性元素の崩壊の際、陽子二つと中性子二つの塊、即ち4He原子核が放出される場合が多い。これをα線と呼び、対応して4He原子核をα粒子と呼ぶ。
- ヘリウムは天然ガスに含まれているものを分離・精製することで生産している。ヘリウム単独での採掘は採算が取れず、天然ガス採掘時の随伴品として生産されているので、ヘリウムの生産量は天然ガスの生産状況に左右される。2013年の時点で日本は需要の9割をアメリカからの輸入に依存している。[1]
関連項目
脚注
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