加納朋子とは (カノウトモコとは) [単語記事]

加納朋子とは、日本の推理小説家。夫は同じ鮎川哲也賞出身の推理作家、貫井徳郎。

概要

敬愛する北村薫へ送るために書かれた『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。

北村薫が開拓した「日常の謎」ミステリーというジャンルのフォロワーとして、ハートフルな物語の中に小さな謎を混ぜ込んだ作品を多く発表して人気を博す。作品は短編連作が多く、一見無関係に見えるいくつかの短編が最後に繋がってひとつの長編になる、という構成をよく用いる。近年はノン・ミステリー作品も多い。

デビュー作『ななつのこ』をはじめ、作品には菊池健（現：十日町たけひろ）による柔らかなイラストが添えられることが多い。2005年にはデビュー作の作中作である「ななつのこ」を菊池健の絵で絵本化した『ななつのこものがたり』が発刊された。

代表作は『ななつのこ』『魔法飛行』『スペース』と続く「駒子シリーズ」、日本推理作家協会賞を受賞した『ガラスの麒麟』、ドラマ化・映画化もされた『ささらさや』『てるてるあした』『はるひのの、はる』と続く「ささらシリーズ」など。

2010年に急性白血病に倒れたが、闘病の末生還。その経緯は『無菌病棟より愛をこめて』で読むことができる。

作品リスト

ななつのこ （1992年、東京創元社→1999年、創元推理文庫） - 駒子シリーズ第1巻
魔法飛行 （1993年、東京創元社→2000年、創元推理文庫） - 駒子シリーズ第2巻
掌の中の小鳥 （1995年、東京創元社→2001年、創元推理文庫）
いちばん初めにあった海 （1996年、角川書店→2000年、角川文庫→2019年、幻冬舎文庫）
ガラスの麒麟 （1997年、講談社→2000年、講談社文庫→2021年、講談社文庫[新装版]）
月曜日の水玉模様 （1998年、集英社→2001年、集英社文庫）
沙羅は和子の名を呼ぶ （1999年、集英社→2002年、集英社文庫）
螺旋階段のアリス （2000年、文藝春秋→2003年、文春文庫→2016年、文春文庫[新装版]）
ささらさや （2001年、幻冬舎→2004年、幻冬舎文庫）
虹の家のアリス （2002年、文藝春秋→2005年、文春文庫→2016年、文春文庫[新装版]）
コッペリア （2003年、講談社→2006年、講談社文庫→2025年、創元推理文庫）
レインレイン・ボウ （2003年、集英社→2006年、集英社文庫）
スペース （2004年、東京創元社→2009年、創元推理文庫） - 駒子シリーズ第3巻
てるてるあした （2005年、幻冬舎→2008年、幻冬舎文庫）
ななつのこものがたり （2005年、東京創元社） - 画：菊池健による絵本
モノレールねこ （2006年、文藝春秋→2009年、文春文庫）
ぐるぐる猿と歌う鳥 （2007年、講談社→2010年、講談社ノベルス→2013年、講談社文庫）
少年少女飛行倶楽部 （2009年、文藝春秋→2011年、文春文庫）
七人の敵がいる （2010年、集英社→2012年、集英社文庫）
無菌病棟より愛をこめて （2012年、文藝春秋→2014年、文春文庫） - 急性白血病との闘病記
はるひのの、はる （2013年、幻冬舎→2016年、幻冬舎文庫）
トオリヌケキンシ （2014年、文藝春秋→2017年、文春文庫）
我ら荒野の七重奏 （2016年、集英社→2019年、集英社文庫）
カーテンコール！ （2017年、新潮社→2020年、新潮文庫）
いつかの岸辺に跳ねていく （2019年、幻冬舎→2021年、幻冬舎文庫）
二百十番館にようこそ （2020年、文藝春秋→2023年、文春文庫）
空をこえて七星のかなた （2022年、集英社）
1(ONE) （2024年、東京創元社）

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