『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』とは、1988年に公開されたサンライズ制作の劇場版アニメである。
ファンには「逆シャア」「CCA(Char's CounterAttackの略」)とも呼ばれる。
同時上映は「機動戦士SDガンダム」。配給収入6億2000万円、興行収入11億3000万円、観客動員数103万人。
概要
監督 | 富野由悠季 |
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脚本 | 富野由悠季 |
キャラクター デザイン |
北爪宏幸 |
音楽 | 三枝成彰 |
制作 | サンライズ |
配給 | 松竹 |
ガンダムシリーズ初の劇場版オリジナルアニメーション(初代劇場版はあくまでもテレビ版の再編集版である)。
前作『機動戦士ガンダムΖΖ』から5年、第一作『機動戦士ガンダム』から数えて14年後になる宇宙世紀0093年を舞台に、アムロ・レイとシャア・アズナブルの最後の戦いを描く。シリーズの主要人物であったアムロとシャアの物語の完結編、もっと言えば『機動戦士ガンダム』『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』で描かれてきた地球連邦とジオン公国の戦争の終局を描いた作品でもあるあった。
元々はTVシリーズでやる予定だったが、製作の都合や諸々の事情によって最終的に映画という形となった。映画の尺の都合でシナリオが短縮されていたり、大人の事情で没になっている部分があり、この理由から富野由悠季監督は本作について「かなり心残りがある」とも評している。
一方、北爪宏幸や仙波隆綱を始めとした名アニメーター陣の手になる作画は、全編にわたってジブリ映画とも遜色のないハイレベルな手書きで綴られており、富野監督特有の高度な三次元戦闘演出とも相まって「ガンダムシリーズ最高峰」と評するファンも決して少なくない。
庵野秀明は「一つの日本アニメの金字塔」、押井守は(ガンダムもアニメ映画を見に行くこともそれほど興味がないと語るが本作については)「何時間でも語るよ」と絶賛している。
本作でガンダムシリーズは一つの区切りを迎え、以降の作品は様々な別形態を模索する形となる。富野監督の手に寄らないOVAとして『機動戦士ガンダム』の外伝『機動戦士ガンダム0080』、富野監督直々にメガホンをとった、本作の30年後を舞台にした劇場アニメ『機動戦士ガンダムF91』、更なる非富野監督作品として『Ζガンダム』の前日譚『機動戦士ガンダム0083』が次々と制作された。
公開からおよそ20年後の2007年には、福井晴敏の筆になる、本作の3年後を描いた直系の続編小説『機動戦士ガンダムUC』が月刊ガンダムエースで連載され、後にアニメ化。連邦vsジオン残党の闘いがもう少し深堀りされることになった。
2編の小説版と『閃光のハサウェイ』
富野監督の筆になる本作の小説版は、徳間書店と角川書店から、それぞれ別内容のものが刊行されている。
1987年刊行の徳間書店版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、映画公開の一年前までアニメージュで連載された『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』に加筆修正を加えた本。2002年には『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』に正式改名して復刊されている。
話は、アムロがシャアの行方を調査する劇場版の前日譚から始まっており、アムロの恋人候補のカニンガム、アリョーナのオリジナルキャラクターも登場する。アムロがロンド・ベルと合流した以降は劇場版本編とほぼ同じプロットとなるが、幕間を埋める描写もあるため、映画の副読本として読むと良いかもしれない。ちなみにリ・ガズィのみ機体の設定が劇場版(ベルトーチカ・チルドレン版)とも異なり、α・アジールは登場しない。
富野監督は「本作を単なる外伝ではない、本伝を超える新たなシリーズとして以降も書き続け、いずれガンダムの名を表題に付け加える必要はなかったと評されるようなシリーズ作品にしたい」と意気込んでいたらしいが、結局は叶わなかったようだ。
88年刊行の角川書店版は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の題で刊行されている。これまでの富野ガンダムノベライズと同じく、映画本編のシナリオ初期稿を基に執筆されており、劇場版とは色々と細部が異なっている。ヒロインがベルトーチカのままであったり、ギュネイの名前が原案のままのグラーブであったり、ナナイの名前がメスタであったりする。Hi-νガンダムやナイチンゲールなど、関連ゲームでお馴染みのメカニックはこの『べルチル』が出典となり、劇場版本編には登場しない。
この『べルチル』の続編として、本作からおよそ10年後を舞台にした『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が1989年に刊行されている。『閃ハサ』は長らくの間、知る人ぞ知る「幻の続編」扱いをされてきたが、2021年に『劇場版逆シャア』の続編として(一部設定の変更を経て)劇場アニメ化され、宇宙世紀0105年の正史に組み込まれることになった。
あらすじ
第一次ネオ・ジオン抗争から5年。時は宇宙世紀0093。シャア・アズナブルはネオ・ジオンの新総帥として、再び歴史の表舞台に立った。一方、シャアの宿命のライバル、アムロ・レイは正式に連邦軍に復帰し、軍外郭部隊「ロンド・ベル」の一員としてシャアを捜索していたが、連邦政府に失望したスペースノイド達のサボタージュは激しく、確たる成果を上げられずにいた。
シャアは、度重なる戦乱を経てもなお地球にしがみ付き、地球の汚染を続けコロニーを虐げる連邦政府と全アースノイドを粛清するべく、新生ネオ・ジオンを率いて地球への小惑星落としを敢行する。連邦政府本部のあるチベット・ラサは壊滅し、連邦政府はシャアとの和平交渉に向け動き出す。
だがそれは、シャアが小惑星アクシズを手中に収めるための布石であった。核兵器を満載して地球へ堕ちるアクシズを止めるべく、アムロは自ら設計した新MS、νガンダムを駆って、シャアとの対決に向かう。
主な登場人物
- アムロ・レイ - 声:古谷徹
- 大尉。ロンド・ベルMS隊隊長。かつてのブランクから完全復帰し、一人の成熟した軍人へと成長した。
- シャア・アズナブル - 声:池田秀一
- ネオ・ジオン軍総帥。パイロットに戻る時は大佐と呼ばれる。
地球連邦軍 |
ネオ・ジオン |
主なメカ
ロンド・ベル |
ネオ・ジオン |
主題歌
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関連動画
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関連項目
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