グフ・カスタム(MS-07B3 Gouf Custom)とは、漢の機体である。
概要
「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」に登場する、グフ(MS-07B)の仕様変更機体。型式番号は「MS-07B3」で、しばしば「B3グフ」とも呼ばれる。
一般的には「グフカスタム」と書かれることが多い。公式表記上では「グフ・カスタム」と書かれ中黒が付く。
本機の著名な搭乗者と言えば、東南アジア方面軍鉱山都市基地所属の、ノリス・パッカード大佐である。
その活躍と漢らしさは関連動画を見て、自身の目で確かめて頂きたい。
「MS IGLOO2 重力戦線」3話にも登場。オデッサの守備戦力として配備されていた。
暴れ回る3機の陸戦強襲型ガンタンクに臆せず、3連装ガトリング砲を撃ちながら肉薄。負けじと撃ち返して来たガンタンクの攻撃を盾で防いでいたが、思わぬ方向から陸戦型ジムの攻撃を受け、四つん這いにされる。そこへガンタンクからトドメの一撃が放たれ、コクピットに被弾。そのまま地に倒れ伏した。登場してから撃破までの時間が短く、秒殺されたように見える。
「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」では、山根公利らがリデザインしたモデルが登場。オリジナルのグフとミックスした、ちょっとマッシブな印象になっている。
物語中ではルーマニア~オデッサ間の戦場で運用される姿が描かれている。第七混成機動旅団の本部所属と思われる機体が退却中の味方の援護に駆け付けた他、連邦軍の勢力圏内でコマンド活動を行う「ミッドナイターズ」隊が運用している。流石にガンダムEXには手も足も出なかったが、砲撃中の陸戦強襲型ガンタンク(B型)部隊を蹂躙し、IGLOO2のリベンジを果たした。
通常のグフとの相違
ベース機となるMS-07Bグフはヒートソードを主兵装とし、同時に右腕にムチ状の固定武装ヒートロッド、左腕にシールドと5連装フィンガーバルカンを装備し、優れた格闘、白兵戦能力を持ったMSである。
しかし、その最大の特徴とも言えるヒートロッドは既存の格闘装備であるヒートホークとは運用法が大きく異なる上、左手そのものがバルカンという構造上、マニピュレーターとしての性能はザクよりも劣っている。そのため、お世辞にも汎用性に優れているとは言えず、柔軟な運用は不可能であった。
それを踏まえ、本機は装甲や武装を始めとした各所に変更を加えることによって汎用性を取り戻すべく設計されている。
ヒートロッドはワイヤー状に変更することで射程距離と強度を増大させ、先端部アンカーからの放電による敵機の機能停止や奇襲を主目的として、溶断機能は廃した(その形状から「ヒートワイヤー」とも呼ばれる)。また、機体の機動補助にもこの装備は用いられる。
左腕は5連装フィンガーバルカンを廃止し、汎用性の高い通常のマニピュレータへ換装されている。代わりに脱着可能な3連装ガトリング砲を装備している。
また、切り捨てていた中間距離戦闘能力を強化すべく、左腕のシールドには、パージ可能な75mmガトリング砲を追加装備(ガトリングシールド)。汎用性が大幅に向上している。
格闘兵装はグフシリーズでおなじみのヒートソードだが、本編においては発熱(ヒート)させず、黒いまま質量打撃を主目的とした鉈のような運用がなされている(ゲーム等ではヒートさせている)。その理由は諸説あり、ファンの間では「ヒートさせると、連続使用限界時間が持たないから」と「ヒート出来ない中古品」の2説が有力とされている。どちらにしても、戦場らしい泥臭さが漂っていてなかなかいい感じであると筆者は思う。
余談
ヒートロッドのデザインについて、監督の飯田馬之介とデザイナーのカトキハジメとの間で揉めたという逸話がある。
飯田監督が従来のデザイン、即ち太いミミズ状のムチを希望したのに対し、カトキはワイヤー状の(つまり、本編で使用された)デザインを提案し、最終的にはカトキのプレゼンによりワイヤー型が通った。
ゲーム等における活躍
「ガンダムvsガンダムシリーズ」では
1000コスト機として「第08小隊」枠で参戦。
他の機体では不可能なヒートロッドによる縦横無尽な動きが可能で、練習こそ必要なものの、慣れれば殆どの攻撃を捌けるほどの変則的な機動が可能。
さらにこちらからは十分に当てていけるほどの使いやすい武装を持ち、よしんば空振りしても即ロッドで離脱できる上、落とされても低コスト故に大きな痛手にならないという至れり尽くせりな仕様で、「狂性能」とさえ言われていた。
いわゆるバランスブレイカーである。
あまりもの批判を受けたからなのか、続作「ガンダムvsガンダム NEXT」ではヒートロッドが2本になり、また直前の行動をキャンセルできるNEXTダッシュシステムも全機体に導入されたこともあり、弱体化。
と言っても、アシストの大幅強化や、空中横格闘の性能変化によるコンボダメージ上昇などの強化点もあり、上位機体の面目を保っている。
また、続作である「EXVS」でも参戦。アシストの削除、ガトリングの大幅強化、ヒートロッド移動の隙が増加と言った変更を受けた。あるテクニックにより、一瞬でブーストゲージを回復できるため、「上位陣にはやや不利。しかし、使いこなせば上位機体も倒せる機体」と言った評価を受けている。
「ガンダム トライエイジ」では
ジオンの興亡3弾から参戦。地上★、森林・砂漠◎と地上戦での地形適性が非常に優れている。特に砂漠◎は数えるほどしかいないため、無強化で地形アクシデントを抜けられるのは美味しい。反面、宇宙と水中は×なので戦場を良く見ること。
必殺技コストが総じて低いのが特徴で、変形やトランザムといった回避系アビリティを手軽に潰せる。また、基本全ての機体が空中に浮いた描写の本作には珍しく、通常攻撃では地上をドカドカ走ってからガトリングシールドを撃つ。
必殺技は「キジン・ソルジャー」。ガトリングシールドでの集中射撃後にガトリングをパージ、ヒートロッドを直撃させ相手を感電させた後、逆手に持ったヒートサーベルで切り抜ける。何気に原作と違い、ヒートサーベルが発熱状態になっていたりする。
「機動戦士ガンダムオンライン」では
正式サービス直後に課金機体の目玉として登場。
どういう訳か、グフよりも先に実装された。
高い機動性能と、高威力のガトリングシールドを搭載した、非常に優秀な機体……だった。
現在は弱体に次ぐ弱体を重ねた結果、当時の威厳は完全に失われ、最強と名を馳せた勇士は見る影も無く、「カッス先輩」などと呼ばれて嘲笑され、プレイヤーの機体倉庫にひっそりと佇み、売却される日を静かに待つ。
※経緯
登場時は高い人気を誇り、ジオンのプレイヤーは当機体を求めて挙って課金。
その結果、戦場はグフ・カスタムであふれ返った。が、これが良くなかった。
当時の連邦にはグフ・カスタムに比肩するような高性能機体は存在しなかったのである。
高い機動力を活かして空を飛び回りながら高威力のガトリングシールドを撃ってばらまく。たったこれだけで、連邦のモビルスーツは次々と倒れ、蹂躙されていった。
勢力は大きくジオンに傾いた。
当然、多くの連邦プレイヤーが理不尽な戦力差に不満を抱き、公式に意見・要望を提出。
事態を重く見た運営は、公式アンケートを実施。その際のアンケートにて「弱体化が必要である機体」の最筆頭として槍玉に挙げられ、性能が低下した。
更に、それ以降も数度にわたって弱体化がされた。
機動力を失い、ガトリングシールドも頼れなくなったグフ・カスタムは、未来を閉ざされたのである。
現在、ジオンのプレイヤーでグフ・カスタムを使用する者は極めて少ない。
当機体に愛情を持つものか、或いはノリスへの敬意を忘れない真の漢たちだけが搭乗するのみとなる。
余談だが、同じような境遇で悲しみを背負ったギャンとはズッ友であるとされている、が……。
2014年12月3日の統合整備計画にてズッ友であったギャンと共に大幅強化が行われた。
機動力などの機体性能は変わる事はなかったが全武装の強化、特にガトリングシールドの威力上昇によりコスト相応の強さを得たのである。
また転倒する値が大幅に引き上げられたことによるバズーカ系武器の弱体化で、生存確率が大きく上がったこともグフ・カスタムの強化につながった。
登場時の鬼のような強さはないが、十分格上と戦える機体となったグフ・カスタムはようやく救われたのである。
ガンプラ
08小隊放送時に発売された「1/144 HG グフカスタム」(バンダイ ホビーサイト商品紹介)は出来が良く沢山売れた事から、様々な宇宙世紀のMSを1/144のスケールで新たに展開する動きへとつながっていった。これが現在の「HGUC(ハイグレード ユニバーサルセンチュリー)」シリーズである。
→詳細は ガンプラ の記事参照
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